健康新聞2021~5月号~

千里丘の中本整骨鍼灸院は、心と身体の疲れから始まる肩こり・腰痛を整体と鍼灸で回復のお手伝い

前回までは、
椎間板ヘルニア、筋肉が原因の坐骨神経痛もどきの解説でしたが

今回からは、
謎の病気「脊柱管狭窄症」についてお話いたします。

其の一、脊柱管狭窄症ってどんな病気?

ここ五年の間、
よく耳にするのが脊柱管狭窄症という病名です。

当院でも整形外科で
「脊柱管狭窄症と診断された」や
「脊柱管狭窄症のお薬を飲んでいる」
という話が年々増えてきました。

 

多くの場合、
歩き始めて5分程で、お尻から足にかけて
痛み・しびれが起こります(間欠性跛行)。

しばらく前かがみで休んだり、
坐ると症状は和らぐという特徴があります。

脊柱管狭窄症の場合、
腰痛の症状は比較的薄く、お尻から足元の症状がほとんどです。

また、
安静にしている時には症状はなく、
もし強い腰の痛みがあるのならば
脊柱管狭窄症とは別の原因を疑うべきです。

ちなみに、椎間板ヘルニアとの違いは
腰を曲げると下肢に症状が出るのがヘルニア。
腰を反ると症状が出るのは脊柱管狭窄症
と覚えてください。

 

其の二、種類

続いて、
医学的な種類をご紹介します。

下の図のとおり、何らかの原因で、
神経の通る管が圧迫された状態で
下肢(お尻から足元まで)に症状が出ます。

〈注、原因の多くは、老化によるヘルニア、辷り症、脊柱管内の靭帯の膨隆など〉

□神経根(しんけいこん)型

神経根とは、
脊髄の末端部分にある馬尾(ばび)から左右に枝分かれした
神経のもとになります。

主に足の感覚や運動に関係しています。

この神経根が脊柱管の狭窄によって
圧迫されたタイプを、神経根型といいます。

神経根は、
背骨の左右にひとつずつありますが、
両方とも一度に圧迫されることはごく稀です。
通常は症状も左右どちらかの脚の一方だけ出ます。

 

□馬尾(ばび)型

脊髄の末端にある馬尾という
神経の束が圧迫されて症状が出るタイプです。

脊柱管の中を通る脊髄神経は、
第1腰椎あたりから馬のしっぽのように、
何本にも分かれています。
これを馬尾神経と言います。

馬尾型は
両足にビリビリと強いシビレや痛み、
お尻周りから脚にかけての異常感覚(冷感・足裏がジリジリする・足裏の皮膚が分厚くなった感じがする・ピリピリ熱い・脱力感)、
間欠性跛行の出ることが多くなります。

 

□混合型

神経根型、馬尾型が合わさったものです。

症状としては、
神経根型と馬尾型同様の坐骨神経痛や間欠性跛行(動いて→休んでを繰り返す)に加えてお尻から脚裏にかけて異常感覚(冷感・足裏がジリジリする・足裏の皮膚が分厚くなった感じがする・ピリピリ熱い)が出ます。

馬尾型・混合型が進行すると、
腸や膀胱の働きに関係する神経が圧迫されて、
排尿・排便障害(おしっこが出にくい・尿意が頻繁に起こる・歩行時に尿や便がもれる・股間まわりのほてり)などを伴うことがあります。

この場合、
医師から手術を提案される場合があります。

次号では原因と治療について解説します   6月号へつづく

 

其の三、「おすすめ!古本めぐり」

鹿の王1~3 上橋菜穂子(著)文庫 – 2017/6/17

今回ご紹介するのは、
守り人シリーズで有名な上橋菜穂子さんの、
2015年本屋大賞受賞作です。

物語は中世の架空の国「東乎瑠(つおる)帝国」で、
謎の伝染病が流行ります。

その伝染病の中心となった岩塩鉱で
生き残った男ヴァン。

そして、
謎の伝染病の解明に取り組む若き医師ホッサル。

それぞれの主人公が真相に迫ります・・・と、
いった内容です。

文学というより連続ドラマを観ているようで
飽きることがありません。

長めの作品ですが、是非、読んでいただきたい一冊です。

 

今月の一言

「果報は寝て待て」

ワクチン接種、きっとあなたの番がやってきます。焦らず待ちましょう!

 

今月のストレッチ

№37「前屈ストレッチのコツ」

【お知らせ】

◆ワクチン接種後のご注意
いよいよ、65歳以上のワクチン接種が始まりました。
今のところ接種後の、整体治療・鍼灸治療を受けて、身体に異常が出たとの報告はありませんが。念のため、1回目2回目ともに3日ほど様子を見てから施術するようお勧めいたします。

◆6月20日(日)は、臨時休業いたします。