症例2「首を前に倒しても腰が痛い」

解説

 

質問、

数日前から
右の腰から背中まで
痛みだしました。
今は頭を下げても
腰に響きます。
これ、
何かの病気でしょうか?

答え

Fさん、
メールありがとうございます。
触診していないので
確実とは言えませんが
脊柱起立筋の痛みだと思います。

(注、今回のメルマガは少し長くなります)

脊柱起立筋は3つの筋肉によって構成されています。

【棘筋】

背骨の骨と骨とに
直接くっついている
小さな筋肉の集まり。

主に
背骨を反らしたり、
横に倒す動作の補助的な筋肉。

 

【最長筋】

名前の通り
頭の下から始まり
仙骨まで伸びる長い筋肉。

身体を後ろに反らしたり
前屈姿勢を維持する筋肉。

デスクワークや
頭を下げた手作業で疲れてくると
ダルくなったり
痛くなります。

最長筋は頭を前に倒して
腰を曲げると腰に痛みが出ます。

 

【腸肋筋】

すべての肋骨から
骨盤(腸骨/仙骨)まで伸びる筋肉

背筋を伸ばし
横に身体を倒す強力な筋肉。

身体を前に倒したり
デスクワークや同じ姿勢を
続けていると痛くなります。

棘筋のみが痛くなることはないのですが、
腸肋筋が疲れて痛くなると
最長筋に負担がかかり
最長筋が痛くなります。

腸肋筋と最長筋が痛くなると
棘筋に負担がかかり
棘筋が痛くなります。

また、
腸腰筋、最長筋は
表面に近い筋肉のため
押すと痛みの場所が
わかりやすいのも特徴です。

さらに、
症状が長引くと
肋骨、骨盤、仙骨や
首まで痛くなります。

筋肉痛のレベルについては
こちらからご覧ください

その他の可能性

筋肉痛以外でも
頚椎のヘルニアや
脊柱管狭窄症の可能性もあります。

筋肉痛の場合は、
1~2週間、無理をしなければ
痛みの変化(軽くなる)が現れますが、

変化がない場合は、
一度
医師の診察を受けることを
おすすめいたします。

 

筋肉疲労の度合いはこちらを参考にしてください

【セルフ治療と予防対策】

「セルフ治療」

激痛がある場合は、安静です。
横になって膝を曲げて痛みの無い姿勢で
和らぐまで2日程安静にします。

和らいだあとは、
温めて、軽いストレッチ
こちらの動画を参考にしてください。

「予防対策」

基本はお風呂上がりにストレッチをします。
これで、同じタイプの腰痛には戻りにくくなります。

できれば、
散歩などの軽いトレーニングを
合わせて行ってもらうと
年を重ねても同じタイプの腰痛には
なりにくくなります。